RaspberryPi Pi3の本当の実力を! ピンヘッダ給電

 2016-05-22
これまでのRaspberryPiはmicroUSB端子による給電で充分(?)動作していましたが、RaspberryPi3Bからはそれだと本領を発揮するのが難しいようです。
Pi3が本当の実力を出せるように、安定した電源を用意してあげる必要があるのです。
 

microUSBによる給電の問題点

そもそも2.5Aも流せるmicroUSB端子自体が少ないです。コネクタメーカーの動作保証値は殆どが2Aとか1.8Aとかです。
そして現在流通しているほとんどのケーブルも2.5Aを前提としたものになっていません。一部の急速充電対応のケーブルが2.4A対応を謳っているのみで、ちゃんと2.5A流せるケーブルが必要になります。
そしてUSB電源アダプタも2.5Aを出力できる物が必要ですがこれがまた非常に少ないうえに記載されているスペックを満たすモノを探すが重要です。2A、2.1Aや2.4A出力のものは見かけますが、それらさえ、実際に2Aの負荷を繋げてみると4.5Vかあるいはそれ以下にドロップしてしまうものばかりです。
国産メーカーのUSB出力アダプタでさえ、定格出力を維持できませんでした。
接続するコネクタも、繋ぐケーブルも、源の電源も、みんな注意深く探さないと満足する物は手に入りません。なんてこった!


ピンヘッダ給電の道

以前からRaspberryPiはmicroUSB端子からの給電と、ピンヘッダからの給電に対応していました。しかしPi1, Pi2ではmicroUSBからの給電で充分だったため、特別な理由が無い限りはUSB給電で使われることが殆どだと思います。(Pi2でも一部で電源供給が問題になっていたようですが)
一方USB給電の問題がより顕著なPi3では、ピンヘッダ給電が非常に有効な打開策になります。
  • ピンヘッダは3A程度でも特に問題なく流せる
  • 5V/2.5A出力以上のACアダプタは市場に多く出回っている
  • ACアダプタは記載されている定格出力を満たせる実力を持ったモノが多い (本来あるべき姿ですが)
安定した電源、許容電流の充分なコネクタ、あとは適当なAWG22以上の線材があれば、RaspberryPi3Bの要求する電源を供給可能です。
※ただし一部の某大陸製のACアダプタは定格出力を維持できない物があるのでそれなりに信頼できるものを買ってください。


ピンヘッダ給電の必要性

ピンヘッダからの給電で改善されるのはRaspberryPiへの電源供給経路です。USB給電でもRaspberryPiの5V系電源の電圧が充分(4.75V以上?)な場合はピンヘッダ給電が必要というわけではありません。手持ちのUSB電源が定格を満たせなかったり、大きめの電流を流せるケーブルを持っていなかったり、microUSB端子の許容電流を心配する場合はピンヘッダ給電を試してみるのもいいかもしれません。
一方、USB給電で4.75V以下にドロップしている場合はピンヘッダ給電の検討をおすすめします。小加工が必要になりますが安定した出力をもった電源が容易に入手できますしスペック上の余裕度も改善されます。また後述する計算量スペックへの影響も改善されるでしょう。


電源の準備とピンヘッダの加工

まずは定格出力が5Vで2.5A以上のACアダプタを探します。
raspi3_powered (1)
秋月にたくさんあるのでその中からSTD-05040Uを選びました。(2.5A以上の出力があるモノのうち安い奴を選んだだけ。)4Aまで取り出せます。
実際に、3Aまで吸い込める電子負荷を繋いでみましたが、ちゃんと5Vを維持していました。さすが!!

そしてピンヘッダの加工を行います。
raspi3_powered (2)
RaspberryPiのピンヘッダのGNDとDC5Vの端子に電源を接続するだけなのですが、折角なのでピンソケットを二つ繋げて、メス-メスのジェンダーチェンジャーにしました。これでブレッドボードとの接続が楽になります。線材は手持ちにあったAWG22のものを使用。7-8A前後は流せるようです。コネクタは標準的な2.1mmのDCジャック。

ついでに電圧計も買っちゃった。
raspi3_powered (3)
DC3V-15Vまで測定できる電圧計が250円と安かったのでついでにポチ! 配線の先にピンヘッダを付けて先に用意したピンソケットに挿せる様にしておきます。これでRaspberryPi3Bの動作中の電圧を簡単にチェックできます。


microUSB給電の現実

ピンヘッダ給電のまえにまずは作成したピンソケットを挿して変なことにならないか確認。さらについでに電圧計も繋いでみます。
raspi3_powered (4)
2台のRaspberryPi3BがUSB給電で動作中、特に負荷も掛けていない状態ですが、電圧は4.53Vと4.51VになっておりUSBの規格から外れるほどに電圧がドロップしてしまっています。(USBの規格では5V±5%だそうです)
これではRaspberryPi3Bの本当の実力は発揮できません。(というのが後で判明することに。)


いざ、ピンヘッダ給電

早速ピンヘッダからの給電を試してみます。といっても作るモノは作ってあるので、ACアダプタのプラグをDCジャックに差し込むだけ。
raspi3_powered (5) raspi3_powered (6)
RaspberryPi3Bは二台あるので、一台はピンヘッダ給電、もう一台は従来のUSB給電として比較してみます。
ピンヘッダ給電の場合は5.15Vとなっています!これでRaspberryPi3B君は心置きなくジャンジャンバリバリ働けるってもんです。


ピンヘッダ給電の闇

安定した電圧を供給できるピンヘッダですが、USB給電と比べて電圧が上がるので、発熱量も増してしまいます。
前回前々回前々々回と同様に stress -c 4 コマンドで負荷を与えて温度上昇を比べてみました。
USB給電のPi3はヒートシンクなしで、ピンヘッダ給電のPi3は前回のまま二連結16PB017仕様です。
(平均値)最低温度[℃]最高温度[℃]上昇温度[℃]
RaspberryPi3B-01
(USB給電 , ヒートシンク無し)
46.0761.22+15.15
RaspberryPi3B-02
(ピンヘッダ給電 , ヒートシンク有り)
45.5875.66+30.08

raspi3_powered (7)
なんと、前回の二連結16PB017仕様で下記の放熱性を得たにもかかわらず、ヒートシンク無しの場合よりも発熱してしまっています。

最低温度で-1.98℃、最高温度で-6.73℃、上昇温度では-4.75℃の効果がありました。

ピンヘッダ給電はRaspberryPi3B本来の実力を出せる反面、本来の発熱量も発揮してしまうので重い負荷をバリバリかけるならば、それなりの放熱対策を行った方が良さそうです。
私の手持ち二台のPi3で試してみた限りでは、放熱性粘着テープを使う簡易的なヒートシンクではダメで、放熱用のグリス等を使ってちゃんと(?)熱結合させるようなヒートシンクが必要な結果が得られています。 放熱グリスを用いるならば、単品16PB017で発熱は65℃程度で収まっています。


ピンヘッダ給電の光

先に負の側面を紹介したのは発熱の問題が怪我の元にも成りかねないからですが、、ここからが本題! ピンヘッダ給電によって本来の力を得たPi3君の実力とは!? 今までは発熱具合をみるためにただCPU負荷を掛けていただけでしたが、今回は unixbench コマンドを使います。これは性能指標となるスコアを算出してくれるので、このスコアでどれだけ計算量を捌けるのか、比較してみます。
対象\条件給電方法単一コア複数コア
RaspberryPi1B+ USB給電84.1N/A
RaspberryPi2BUSB給電138.1302.9
RaspberryPi3B-01USB給電161.9385.9
RaspberryPi3B-02USB給電161.6385.7
RaspberryPi1B+ピンヘッダ給電83.6N/A
RaspberryPi2Bピンヘッダ給電178.8435.4
RaspberryPi3B-01ピンヘッダ給電304.0743.0
RaspberryPi3B-02ピンヘッダ給電303.6752.5
USB給電のPi3は、Pi2の1.27倍程度のスコアしか出せませんでしたが(138.1→161.6 , 302.9→385.7)、
ピンヘッダ給電のPi3は、Pi2の1.72倍程度のスコアを出せました!(178.8→303.6 , 435.4→743.0)


これがRaspberryPi3Bの本来の実力といったところでしょうか。 Pi3の要求する安定する電源を与えるとこんなにも働き者になってくれます。その分発熱しますけど・・・。


RaspberryPi1やPi2では特に気にするほどでも無かった(?)発熱・放熱ですが、Pi3では放熱をバッチリやって、是非とも全開フルスロットルのPi3の計算量を活用してみたいモノですね。
実際に、USB給電のPi3と、ピンヘッダ給電のPi3とで、ffmpegを使ってH.264の動画エンコードを試してみました(ハードウェアエンコーダではない)。 USB給電の方は変換速度23fpsに対して、ピンヘッダ給電の方は44fpsのエンコが可能でした。30fpsの映像ソースならば実時間よりも短い時間で処理できていることになります。やるじゃん。Pi3。


 
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