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RaspberryPi Pi3のファンレス空冷 その1 市販品効果測定編

 2016-06-19
自分用のメモも兼ねて記録しておきます。

RaspberryPi3BはこれまでのPiに比べて捌ける計算量も大きくなりましたが、それに伴って発熱量も大きくなっており、Pi3の実力を発揮させるには充分な冷却が必要になります。
今回は市販されているヒートシンクをポン付けして、どの程度の効果があるのかを検証します。
 

課題と目ざす姿

RaspberryPi3Bはヒートシンク等を後付けしない、箱出し状態では継続した1.2GHz動作は事実上困難です。すぐに温度制限に引っかかって保護のため600MHz動作に抑えられてしまいます。折角性能向上したのにもったいないです。
一番手っ取り早いのは5V駆動のファンを追加することです。基本的にコレで解決できます。ですがファンレスというRaspberryPiの大きなアドバンテージ(※諸説有り)を自ら捨てる事になってしまいます。
というわけで、ファンは甘えとばかりに空冷にこだわってどこまでやれるのかを追求してみたいと思います。


結論

先に結論から述べます。
16PB017を用いるとHM-19Aの約4.5倍の放熱効果が得られました。温度にして約-8℃の冷却効果が期待できます。
HM-19Aは熱伝導両面テープ付属で単価1000円程度であり、16PB017の単価40円には遠く及びません。熱伝導両面テープ(アイネックス PA-069 ¥184円)を買い足してもコストパフォーマンスで圧倒的に優れます。16PB017の使用をお勧めします。
16PB017を横並びに連結させると若干の放熱効果改善が得られそうな傾向が見られたものの、改善量は小さいため複数使用の必要性は薄いと思われます。

各測定対象毎のヒートシンク効果量
Rpi3_hm19a_16pb017_07.png
Pi3effectwith heatsinkno heatsink
minmaxminmaxstd-evminmaxstd-ev
16PB017(x2,para)-3.4083-8.428344.72 54.58 0.461948.13 63.01 0.4393
16PB017(x2,USB/LAN)-1.9767-6.731744.72 55.48 0.416446.70 62.21 0.3436
16PB017(x2)-2.4200-6.546745.53 56.02 0.402347.95 62.56 0.3647
16PB017(x1)-3.3133-8.160045.89 56.02 0.421249.20 64.18 0.5016
HM19A-0.2667-1.796746.25 59.96 0.244046.52 61.76 0.3864
no heatsink0.54000.276747.95 63.19 0.359947.41 62.91 0.3299






以下、細かいところをダラダラと書いていきます。



測定・評価の条件

  1. RaspberryPi3Bでの測定
    RaspberryPi3Bは、1B、1B+や2Bよりも発熱量が大きく、性能を引き出す上でボトルネックになりやすいため。
    (Pi2Bは一台しか持ってないという理由もある)

  2. 600MHz動作での測定
    1.2GHz動作では設定温度を超えない様に保護動作が働いてしまい、効果が温度として見えにくくなるため。
    (1.2GHzの全開動作だと容易に85度に張り付いてしまう)

  3. stressコマンドによるCPU負荷状態での測定
    CPU負荷に対する発熱がターゲットであるため。USB/LANチップの負荷による発熱もあるが今回はCPU温度に着目します。
    RaspberryPi3BのCPUコアは4コアなので、 stress -c 4 で負荷を掛けて温度を測定します。

  4. 90分の全力負荷と30分のアイドル負荷を繰り返しての測定
    恒温槽などはないため、何回か繰り返し測定して平均値で評価します。温度が安定するのを待つため出来るだけ長い時間をかけたいが1日の室温変化も無いわけでは無いので、2時間毎に全力負荷とアイドル負荷を繰り返すことにしました。具体的には while true ; do ; stress -c 4 -t 90m ; sleep 30m ; done というコマンドを使いました。

  5. ヒートシンク有りとヒートシンク無しの結果を比較する
    恒温槽などはないため、RaspberryPi3Bを2台並べて測定します。片方はヒートシンク有り、もう片方はヒートシンク無しとし、その差をヒートシンク効果量として扱います。

  6. 2台のRaspberryPi3Bは物理的に近接配置する
    恒温槽などは無いため、室内の温度分布の影響を最小限にとどめるために同じ場所において測定します。

  7. CPU温度の取得はsysfsから
    /sys/class/thermal/thermal_zone0/tempを参照してCPU温度を取得します。具体的には、 echo 'scale=2;'`cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp`' / 1000' | bc  というコマンドを実行して小数点以下2位までのセ氏温度を取得・記録します。

  8. cactiを用いた記録(5分間隔での測定)
    温度の記録はcactiを使います。後から見直すときも簡単なので便利です。これにより5分毎の測定になります。全力負荷は90分あるので充分だと思います。

  9. 90分の全力負荷とその前後15分、計120分間の測定結果のうち最低温度と最高温度を集計
    最高温度は当然集計するとして、最低温度の集計は室温の変化を見るためです。

  10. 熱伝導両面テープ(PA-069)の使用しての測定
    これは個人的な縛りプレイです。デファクトスタンダードになりつつある(?)HM-19Aに付属の熱伝導両面テープで熱伝導率は0.65W/m・Kらしいです。両面テープとしてはそこそこリーズナブルな性能ですが、熱伝導グリース等に比べると大きく性能が劣ります。しかしグリース等は付け替えが面倒ですし、施工状態によって結果に影響を受けやすいため、ヒートシンクの付け替え容易化、測定結果安定化のために、この両面テープを使用することを条件に加えます。
    ただし、テープを使うのはCPUとヒートシンクの熱結合の箇所のみとします。それ以外の箇所はグリース等の使用を認めることにします。

測定環境の様子。ダイソーのまな板にビス止めして近接配置を維持する。USBにWiFiのアンテナが刺さっているのは比較用のRaspberryPi1Bと2Bです。今回は特に触れません。目立ったアンテナのない2台(写真左側)が今回対象とするRaspberryPi3Bです。
Rpi3_hm19a_16pb017_01-0.jpg
Pi3Bの両方に刺さっているUSBフラッシュメモリはSwap, log領域用&各種ワークエリア用のもので、2台とも同じ構成にしてあります。


測定対象

  1. no heatsink
    ヒートシンク無し vs ヒートシンク無しの状態で測定を行い、RaspberryPi3Bの個体差を確認します。

  2. HM-19A
    日本国内では最も容易に入手できデファクトスタンダード的な立場を獲得しつつある例のヒートシンクです。
    熱伝導両面テープも同梱されており非常に手軽に利用できます。最近値上がりしていて、単価1000円程度です。

  3. 16PB017
    秋月電子で売っているヒートシンクで、形状・大きさ的にRaspberryPiにそのまま乗せられそうなもの。単価40円と非常に安価です。

  4. 16PB017(x2)
    欲張って16PB017を2個連結したもの。結果はあまり振るわず…

  5. 16PB17(x2 with LAN/USB)
    16PB017を2個連結させると、RaspberryPiにとても丁度良い大きさになり、CPUとLAN/USBのチップを同時にカバー出来ます。実用上は2個連結するならばこっちの運用になりそうなので測定しました。

  6. 16PB017(x2,横)
    16PB017を2個、横並びに連結したもの。上記16PB017(x2)の結果を受けて、連結の仕方を変えて試行したものです。



no heatsink

ヒートシンク効果量は最低温時に+0.54℃、最高温時に+0.28℃となりました。ヒートシンク無し同士で比較であり、個体差、測定誤差等の参考値です。
厳しめに比較するため、個体差で温度の低かったほう(01号機)は今後もずっとヒートシンク無しとし、温度の高かったほう(02号機)に各種ヒートシンクを付け替えて変化を見ことにします。
no heatsinkRaspberryPi3B-01RaspberryPi3B-02
minmaxminmax
8:0046.6962.8247.2362.83
10:0047.2362.8247.7763.37
12:0047.7762.8348.3163.37
14:0047.7762.8348.3163.37
16:0047.7763.3648.3163.37
18:0047.2362.8247.7762.83
average47.4162.9147.9563.19
std-ev0.44090.21890.44090.2789
Rpi3_hm19a_16pb017_01-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_01-1.png Rpi3_hm19a_16pb017_01-2.png


HM-19A

ヒートシンク効果量は最低温時に-0.27℃、最高温時に-1.80℃となりました。手軽でポピュラーなHM-19Aであるが、効果は気休め程度しかない。
hm19aRaspberryPi3B-01RaspberryPi3B-02
minmaxminmax
8:0047.2362.2946.6960.14
10:0046.1761.7646.1760.14
12:0046.6961.7646.1660.14
14:0046.6961.7646.1659.61
16:0046.1661.7646.1660.13
18:0046.1661.2246.1659.61
average46.5261.7646.2559.96
std-ev0.43440.33840.21560.2724
Rpi3_hm19a_16pb017_00-0-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_02-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_02-1.png Rpi3_hm19a_16pb017_02-2.png


16PB017

ヒートシンク効果量は最低温時に-3.31℃、最高温時に-8.16℃となりました。HM19Aより安価で約4.5倍の効果がありコストパフォーマンスは良好。
難点はHM19Aよりも大きいという事くらいでしょうか?ケース等に干渉しないのであれば16PB017の使用をお勧めします。
16PB017RaspberryPi3B-01RaspberryPi3B-02
minmaxminmax
8:0048.3163.3745.6255.84
10:0049.3863.9145.0855.84
12:0049.3864.4545.6256.38
14:0049.3864.4546.1656.38
16:0049.3864.9946.6955.84
18:0049.3863.9146.1655.84
average49.2064.1845.8956.02
std-ev0.43680.56640.56350.2789
Rpi3_hm19a_16pb017_00-1-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_03-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_03-1.png Rpi3_hm19a_16pb017_03-2.png


16PB017(x2)

ヒートシンク効果量は最低温時に-2.42℃、最高温時に-6.55℃となりました。
16PB017を縦に2連結にしたヒートシンクを、CPUにのみ乗せたものです。しかし1個の時よりも効果は落ちています。フィン間の溝が細長くなりすぎて熱交換効率が下がっているのだろうか?(´・ω・`)
後述のUSB/LANチップと併用した場合と若干数値は異なっているがほぼ同等の効果と言えそうです。つまり、わざわざUSB/LANチップを避けて取り付ける意味は薄そう。
16PB017
x2
RaspberryPi3B-01RaspberryPi3B-02
minmaxminmax
8:0047.2362.3045.0855.84
10:0047.7762.3045.0855.84
12:0048.3162.8345.0855.84
14:0048.3162.3046.1655.84
16:0047.7762.8246.1656.37
18:0048.3162.8345.6256.37
average47.9562.5645.5356.02
std-ev0.44090.28850.53090.2737
Rpi3_hm19a_16pb017_00-2-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_00-2-1.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_00-2-2.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_04-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_04-0-1.jpg
Rpi3_hm19a_16pb017_04-1.png Rpi3_hm19a_16pb017_04-2.png


16PB17(x2 with LAN/USB)

ヒートシンク効果量は最低温時に-1.98℃、最高温時に-6.73℃となりました。
16PB017を縦に2連結するとちょうど良い大きさとなりUSB/LANチップもカバーでき見た目もいくらかスマートになります。
16PB017
x2 USB/LAN
RaspberryPi3B-01RaspberryPi3B-02
minmaxminmax
8:0046.1762.3044.5454.76
10:0046.6962.2944.5454.76
12:0046.6962.3045.0855.83
14:0046.1961.7644.5455.84
16:0047.2262.3044.5555.83
18:0047.2362.3045.0855.84
average46.7062.2144.7255.48
std-ev0.46740.21970.27760.5551
Rpi3_hm19a_16pb017_05-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_05-0-1.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_05-1.png Rpi3_hm19a_16pb017_05-2.png


16PB017(x2,横)

ヒートシンク効果量は最低温時に-3.41℃、最高温時に-8.43℃となりました。
16PB017を横に2連結したものです。縦に連結したものと比べてフィン間の溝への空気流入経路が確保されると思われます。結果からも縦に連結したものより冷却効果が大きいことが確認できました。しかし1個のみの時と比べるとさほど違いは無いため、わざわざ2個つなげる必要性は薄いかもしれないです。。。
1個= -8.16 → 2個横連結= -8.43 なので差は-0.27であり、ヒートシンク効果量の標準偏差0.2776を考えると有意な差ではありません。(誤差に埋もれる程度の差しかない)
16PB017
x2 para
RaspberryPi3B-01RaspberryPi3B-02
minmaxminmax
8:0047.2362.3043.4754.23
10:0048.3162.8344.5454.23
12:0048.3162.8345.0854.76
14:0048.3163.3745.0854.76
16:0048.3163.3745.0854.76
18:0048.3163.3745.0854.76
average48.1363.0144.7254.58
std-ev0.44090.43760.65010.2737
Rpi3_hm19a_16pb017_06-0.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_06-0-1.jpg Rpi3_hm19a_16pb017_06-1.png Rpi3_hm19a_16pb017_06-2.png


 
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